太く硬いコシが非常に強い手打ち麺が特徴のうどん「吉田のうどん」。富士北麓の厳しい自然の土地で育んできた伝統の料理です。
ゆでキャベツや油揚げ、馬肉(近年は豚肉の使用が多い)が具として乗せられているのが主流で、麺をしっかりと歯で噛んで味わいます。
薬味には赤唐辛子をベースにしてゴマや山椒を加えたものを油で炒めた「すりだね」を用います。汁は煮干出汁、椎茸の出汁がよく用いられます。
冠婚葬祭時にうどんでもてなす習慣があり、宴会でも「うどん」を食べて終わりにするのがうどん好きの吉田の土地柄です。
吉田は江戸末期から昭和にかけて女性が養蚕や機織を行い、男性が炊事を受け持ち、昼食としてうどんを打っていました。富士吉田市には60軒以上のうどん店があり、市の規模に対して非常に多くなっています。
多くの店はのれんだけの構えで、民家の一部を改装し店舗にしているような造りになっています。多くが、お昼(午後2時頃まで)のみの営業であり、日曜日は休みとなります。
メニューは、馬肉(稀には豚肉)を甘辛く煮たものを乗せた「肉うどん」、冷たい麺に冷たい汁を皿に満たした「冷やし」、温かい汁に冷たい麺をつけて食べる「つけ麺」などです。
いずれも煮キャベツが具として入れられています。一杯250円~500円と手軽な価格です。
農林水産省が各地に伝わるふるさとの味の中から選定した「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれています。