清水港への冷凍マグロの水揚げは、国内全体の水揚げ量の約50%を占め、日本一を誇っています。
静岡市民1世帯(2人以上)当たりのマグロの年間購入金額・購入量は、全国の都道府県庁所在地の中で第1位。全国平均と比べ、実に約2倍の数字です。
マグロと清水港
清水港とマグロの関係の深まりは、ツナ缶(マグロ油漬け缶詰)の発祥が関係しています。昭和4年、県水産試験場がマグロ油漬け缶詰を試験製造。この缶詰がアメリカに輸出され、大好評を得たことから、水産試験場はマグロ油漬け缶詰の製品化を提案し、清水食品が最初に製品化しました。
清水食品は、ビンナガマグロが獲れる夏季はマグロ油漬け缶詰を、冬季はミカン缶詰を作るというサイクルで大成功を収めます。その後、他社も製造を始め、缶詰業は清水の一大産業になりました。
マグロ油漬け缶詰の成功でマグロの需要が増え、さらに戦後になると、交通事情が良くなったことや港周辺に優れた冷凍保存技術を持つ施設の整備が進んだことも加わり、清水港にますます多くのマグロが水揚げされるようになったのです。
冷凍マグロの品質
マグロの品質が低下しない冷凍温度帯は-30℃以下で、実際の流通上では-50℃の超低温冷蔵庫に保管します。
冷凍マグロのおいしい解凍法は、500g程度のブロックの場合、真水で軽く表面を洗い、1ℓ当たり30gの食塩を加えた40℃の湯に1分ほど浸します。
軽く水分を拭き、キッチンペーパー等で包んで1~2 時間冷蔵庫に入れておけば、変色を防ぎ、味を落とさず解凍することができます。
なお、一度解凍したマグロを再凍結すると組織が破壊され、非常に質が劣化します。再解凍後にはドリップ(旨味成分等を多量に含んだ汁)が流れ出すなどして風味も落ちます。
名前の由来
マグロの名前の由来には、目が黒いことから眼黒(めぐろ)→マグロとなったという説や、マグロが泳いでいる時の黒い背中を見た漁師が、「真黒」と名付けたというもの、保存する事が困難とされた鮪は常温に出しておくとすぐに黒くなってしまう為、など。いずれにしても黒い色から来ているようです。