箱根の伝統工芸品・寄木細工を展示している美術館。寄木細工の伝統工芸士でもある、本間昇のコレクション約800点を収蔵。江戸後期からの貴重な作品など、常時200点を展示しています。
寄木の格天井を施した展示コーナー、四季の花をモチーフにした木象嵌衝立[もくぞうがんついたて]をはじめ、海外へ輸出された豪華な家具調度品、江戸時代に将軍家から賜った文台・硯箱などは見応え十分。
「寄木」は、江戸時代末期、箱根で生まれました。箱根山系の豊富な種類の木材を使い有色材の木目を生かし、精巧な幾何学模様を組み合わせて作り上げる”寄木”。自然のおりなす原木は、みずき、楠、ケヤキなど天然木の素朴な趣きをかもしだします。
江戸時代には寄木に、蒔絵や螺鈿などを施した作品がつくられていましたが、200年の歴史の中で、その技術、技法は大きく変わりました。本間美術館では、寄木の原点ともいえるこれらの貴重な作品を江戸、明治、大正、昭和初期と年代別に並べ、寄木の変遷を紹介しています。
例年3~4月には寄木雛も公開されます。1階の工房には、職人による製作工程の見学や製作体験コーナーでは伝統文様のムク寄木コースター作り(800円、所要50分、要予約)もできます。
美術館1Fの売店では、伝統工芸士の作品やオリジナル作品など、ここでしか見られない商品があります。