丘陵の上に建つ真言宗の古刹で遠州三山(旧遠江国の三古刹)のひとつ「厄除観音 法多山 尊永寺」の名物「くし団子」。境内にあるだんご茶屋で食べられます。
団子は、モチモチっとしつつ歯ごたえもしっかり残る柔らい長方形の餅が串に刺さり、5本1カサになっています。大きな釜で煮る国産(北海道)小豆の餡は甘さ控えめ。団子にこし餡がたっぷりと載せてあります。
茶屋では、自然豊かな境内の景観を眺めながら、団子と、ほのかな香りのする深蒸しの袋井茶でゆっくりくつろげます。おみやげとしても人気です。
五本の串にさした団子は、頭・首・胴体・手・脚を表しており、団子に厄除けの意味を込めた事だと伝えられています。
団子に添加物は一切なく、昔と変わらぬ作りを守り続けています。手作りならではの美味しさの持続は短く消費期限は翌日です。
法多山は725年に行基によって建立されたと伝えられています。毎年正月江戸幕府の武運長久、天下泰平、五穀成就の祈祷を奉修し、祈祷ご符と当地名産品を献上する習わしでした。
十三代将軍家定の頃(1854年)門前に住する寺士八左エ門の発案による観世音名物団子が登城の土産に添えられたのを始めとされています。
将軍家より「くし団子」とご命名賜り以来、一般参拝客の賞味するところとなり、俗に厄除団子と呼ばれ親しまれ今日に至っています。
「お茶湯日」という観音様の縁日のみ、袋井産のお茶を粉末状にして練り込んだお茶だんごを販売しています。