864年に西湖と精進湖を分断した貞観噴火で流れ出した青木ヶ原溶岩流でできた総延長386メートルの富士山麓中最大規模の溶岩洞窟「西湖蝙蝠穴」。
西湖南西岸の樹海の中にあり、年間を通して洞窟内の温度は一定で、かつて多数のコウモリが冬眠の場所として生息していました。
横穴式で、入口付近に広いドーム状部分と、その奥の複雑に入り組んだ洞からなって、溶岩ドームや溶岩棚、縄状溶岩床などを見ることができます。
噴火で流れ出た溶岩が外気にふれ、爆発成分(ガス)を発散しながら固まる時、洞穴の内面に鍾乳石や縄状溶岩などが作られました。
歩道、誘導灯が整備されて安全に楽しむことができるようになっています。穴の高さが低い部分が多いので、ヘルメット着用でかがんで進みます。
穴およびコウモリともに国の天然記念物に指定されています。種類は、ウサギコウモリ、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリの3種類が登録されています。
コウモリの数は減ってしまいましたが、洞窟の奥にコウモリの保護区域が出来たことで、毎年少しずつコウモリの数が増えるようになりました。
入口から穴までの樹海を通る道も散策に適しています。管理事務所ギャラリーでは、コウモリについての説明展示等を行っています。また販売棟ではコウモリグッズなども購入できます。