864年の富士山の側火山である長尾山の噴火によりできた溶岩洞窟。広大な青木ヶ原樹海にあり、総延長153メートルの環状式縦穴で国の天然記念物に指定されています。
複雑な4段構造で年間平均気温は0度前後、1年中氷に覆われている幻想的な洞窟です。環状になっているため、内部を一周することができます。
氷穴内には氷の貯蔵庫があります。かつて江戸時代には献上するための物品として、大正時代には冷蔵庫の氷など、様々な用途で使われていました。現在は用途が無いため、毎年冬に四角い氷を作り再現しています。
地下21メートルの「氷の池」では、氷柱や玄武岩質溶岩群を見ることができます。水滴が凍ってできた氷柱は4月ごろに最も成長し、年によっては高さ3メートルという巨大なものが見られます。秋の終わりにはほとんど残っていません。
洞窟は、噴火活動で噴出した膨大な溶岩が徐々に冷え固まる際に、内部の高熱なガス体や冷え切らない溶岩が抜け出すことで空洞が形成されました。