修善寺温泉街の真ん中にあり、修善寺の地名の元にもなった寺です。平安時代初期の大同2年(807)、弘法大師の開基と伝え、鎌倉時代に北条氏が帰依したことから寺運隆盛となり、堂塔つらなる大寺となりました。
一方、建久5年(1194)源範頼は兄将軍頼朝の猜疑をうけここに幽居、梶原景時に攻められて自刃しました。また、頼朝の長子で2代将軍頼家は、母政子と祖父北条時政の謀略により幽閉され、元久元年(1204)入浴中に暗殺されるなど、源氏一族の骨肉相は悲劇の舞台となり、源氏滅亡の場として歴史にその名を残しています。
夏目漱石の小説『修善寺の大患』や、岡本綺堂の戯曲『修善寺物語』の舞台になったことでも名高い寺です。『伊豆八十八ヶ所霊場巡り』の結願の札所であり、緑に包まれた境内は、秋には紅葉の名所となります。